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Channel: スポーツナビ+ タグ:桐生一
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“いつも通り”の強さ

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 東都大学野球の秋季リーグ戦が、6日(土)に開幕した。オープニングゲームとなった東洋大-青学大の一戦は、延長10回に内野安打で勝ち越した東洋大が4-3で青学大に勝利。4季連続の完全優勝へ向けて、白星スタートを飾った。 一塁側の東洋大応援団から、ため息が漏れる。延長10回表、1死満塁のサヨナラ機に6番・中倉裕人(4年・PL学園)は浅いレフトフライ。3塁走者の瀧本聖也(2年・静岡商)は俊足だが、タッチアップを諦める。尚も2死満塁と好機は続くが、打線は下位へ。パンパンに膨れ上がった期待という名の風船が、またたく間にしぼんでいく。 7番・小島脩平(3年・桐生一)の代打に告げられたのは、柘植宏介(4年・明秀日立)。内野の守備固めを主な役回りとするバイプレーヤーである。柘植が積極果敢に初球をたたくと、高いバウンドのゴロがショートへ飛ぶ。これが内野安打となり、東洋大は勝ち越しに成功した。 勝利を収めた東洋大だが、試合内容はお世辞にもほめられるものではない。3点を先制したものの、先発の乾真大(2年・東洋大姫路)は不調で3回途中降板。救援した鹿沼圭佑(2年・桐生一)の制球の甘さに二塁手の小島の失策が重なり、簡単に同点を許す。3番から6番に並ぶ長距離砲は4人で2安打。中盤以降、好機でことごとく三振やポップフライに倒れた。 だが、結果として負けなかった。ここに東洋大の強さがある。拍子抜けするほどあっさりと失点を喫する投手陣だが、敗戦を意味する決勝点だけは意地でも与えない。自慢の大砲4人が扇風機と化していても、適材適所で代打や代走を送り込み、彼らの粘っこさとスピードでしたたかに得点を奪う。その代わり、脇役たちの小細工が効かない日には、長距離砲の破壊力で相手を沈めるのだ。 内容の悪さを取り上げ、4連覇に黄信号とする見方もできる。だが、3連覇の原動力である“試合が終わったときに、勝っている”勝負強さに陰りはない。4季連続完全優勝に向けて、視界は良好だ。

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